あなたはどんな人ですか?－－そう問われて簡単に答えられるほど人間は単純じゃない。仕事中は厳しい上司が実は子煩悩だったり、授業中は物静かで大人びたクラスメートが、学校の校門を出ると、とたんに可愛い笑みを浮かべた少女に変わったり。だから人間ってわからない。見る場所見る人によっていろいろ変わるから。
岡田奈々さんほどその魅力を語らせたら意見が千差万別な人もそうそういない。ファンの数だけ岡田奈々さんの素敵なところがあるのである。
マスコミに登場したのは1974年。昌子、淳子、百恵の花の中三トリオが一世風靡していたころ岡田奈々さんはNETテレビ(現・テレビ朝日)のオーディション番組「あなたをスターに!」でデビュー。その清らかなまでの流麗なる容姿とまだ残る少女のあどけなさが、当時からのファンに聞くと「守ってあげたい女の子」だった。その気持ちは妹にたいしての感情なのか、それとも思春期に一度きりのはずの恋愛にも似た感情なのか、世の男性ファンの心を鷲掴みにしたことは間違いない。

その「守られキャラ」でドラマに歌に活躍。
「アイドル」ではなく「ヤング・スター」

その後は松本隆さん、都倉俊一さん、など錚々たるメンバーによる楽曲を次々と発表。なかでも大ヒットは「青春の坂道」(NAVレコード)だが、80年代アイドルに続く当時の歌謡史を俯瞰するとその変遷はなかなか興味深い。
と同時に、そのキャラクターを活かした女優業でも絶対的な地位を築く。NTV「俺たちの旅」田中健演じるオメダの妹・真弓役、同NTV「ゆうひが丘の総理大臣」大屋薫役など、見る人の目尻がつい下がる可愛い役どころを演じている。
堀越学園を卒業し、20歳となると女優業を本格的に開始。「戦国自衛隊」など名作と言われる数々の角川作品に出演。若手本格派の美しい女優として活躍、キャリアを積んで、80年代アイドルの定番ドラマ大映作品では幅広い役柄を演じ、その実力を確かなものにし、今もマイペースで着実な仕事を数々こなしている。なかでも最近話題となったのは伊藤洋三郎さんとのW主演でヒロインを演じた映画「恋」の演技。思わず嗚呼と声をあげてしまいそうな儚さ、いじましさ、純粋さ、可憐さ、強さ。美しさだけでない本当の女性の魅力をこれでもかと披露してくれた。
このようにざっとキャッチアップしただけでも、年代とともにざまざまな魅力をファンに見せてくれた岡田奈々さん。その印象はその年代によってさまざまなことがお分かりいただけるのではないだろうか。今回発売する写真集「二度目の初恋」ではその最初期、当時で言うところの「ヤング・スター」時代の月刊平凡で撮影された数々の写真が中心となるが、のちの時代を彷彿とさせる表情、そして若い時代だけのお茶目な姿もたくさん収録する予定です。当時の初恋に似た感情があなたにふたたび訪れるはず。

あなたの岡田奈々さんはどんな人ですか?　その答えをひもとくヒントをこれから皆様に届けさせてください。